略して育休。要件や給付金、それらの概要を書いてみよう。
自分も二度お世話になっている育児休業、略して育休。
こいつを備忘録的に、かつ制度が変わった頃に比較出来る様に書き出しておこうと思います。
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そもそも育休って?
育休という略語には、育児休業と育児休暇の2種類の意味で使われていますが、
違いは字の通り休業か休暇なのか、です。
例えば私の様な会社員が
「1ヶ月休職します。育児の為に休職します。」
と言う事で育児休業となり、
「1ヶ月休み(有給やその他の休暇でも可)ます。休む理由は育児の為です。」
と言えば育児休暇となります。
ただ、何週間もまとめて休暇というのは会社員だと中々難しいと思いますので、
育児休暇は一般的には個人事業主の方が利用するもの、というイメージです。
敢えて説明する程ではないですが、
休業の場合、ほとんどの場合が無給となり、休暇の場合は給料(※)が払われます。
※会社員における有給利用時を想定
そして、会社員である私が取得したのは育児休業。
ですので、以降の説明では育児休業について説明させて頂きます。
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育児休業はどうすればとれるの?
勘違いしやすいので先に言いますと、
”育児休業を取得する事”と”育児休業給付金を取得する事”は別物だと認識して下さい。
その上で、給付金については後項で説明し、ここでは育児休業の取得要件を説明します。
雑に言ってしまえば、会社(労働組合や労使や事業主)が良しと言えば、
どんな状態であっても取得可能と言って良いでしょう。
とはいえ、何でもかんでも認めるという訳にはならないので、
基本的には「育児・介護休業法」というものを指針に判断する事となりますが、
詳しくはこちらのサイトで説明されていますので確認してみましょう。
取得対象となる子が1歳未満である事は共通しているものの、雇用形態により求められる条件は大きく異なります。
とりわけ、この要件をつぶさに確認する必要があるのは非正社員の方になるでしょう。
平成24年より、有期雇用契約者の配偶者が専業主婦(夫)であっても取得できる内容で改正されていますし、
アルバイトだし・・・といって諦めるのではなく、取得の意思を伝えた上で条件に合致するかは確認した方が良いかと。
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育児休業給付金はどうすればもらえるの?
大前提として、雇用保険の被保険者(※)である事です。
※事業主が入ってくれていなかった事が発覚!といった場合は余談として最後に記載しておきます。
その上で支給対象者の主な要件は以下の通り。
育児休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数(原則、日給者は各月の
出勤日数、月給者は各月の暦日数)が11日以上ある月が12か月以上ある方が対象となります。
引用元:厚生労働省パンフレット[育児休業や介護休業をする方を経済的に支援します]
つまり、
月給でもらっているなら、この2年間の中で1年以上働いているよね?
日給でもらっているなら、この2年間の中で月に11日以上働くペースを1年以上続けているよね?
という事になります。
ちなみに、休業中でもいくらか給料出してくれる場合や、
月の下旬から休業開始となる場合は更なる要件があります。
詳細は前述の厚生労働省パンフレットをご確認下さい。
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育児休業給付金はどれくれいもらえるの?
要件は満たされたとして、ではどういう計算により給付金がもらえるのか。
まずは、”休業開始時賃金日額”というものを求めます。
これは、育児休業開始日が属する月の6ヶ月前を対象期間とし、
額面総支給額を全期間合計して180で割ったものになります。
額面総支給額なので、基本給や残業手当はもちろん、通勤手当や住宅手当その他手当を含めた金額が計算対象です。
続いて”支給日数”と”給付割合”というものを求めます。
支給日数は、曜日関係なしの休業期間日数です。
例えば、月中から育休開始とする場合は開始日から月末までの日数、
1ヶ月まるまるであれば暦上の日数が支給日数となります。
1ヶ月まるまるの場合はどの月においても30日が支給日数となります。
<2015/4/2 訂正:最新エントリー参照>
給付割合については、
育児休業期間の開始半年が67%(※)、
それ以降は50%が適用されています。
※2014年4月1日より引き上げられており、以前は50%でした。
では、サンプルとして以下の場合はどうなるかを計算します。
【育児休業開始日 が2015年1月18日(日)、終了日が2015年3月31日(火)の場合】
- 休業開始時賃金日額
育児休業開始日が属する月の6ヶ月前ですので、2014年7月〜2014年12月が対象期間。
仮に上記期間の額面総支給額が全て30万/月の場合、
30万×6÷180=1で、休業開始時賃金日額は1万円となります。
- 支給日数
開始月である2015年1月は14日、2月は28日、3月は31日となります。
- 支給金額計算
2015年1月:1万円×14日×67%=9.38万円
2015年2月:1万円×28日×67%=18.76万円
2015年3月:1万円×31日×67%=20.77万円
サンプルの計算結果が出ました。
この金額を2ヶ月に1度、2ヶ月分まとめて指定の口座に振り込まれます。
なお、育児休業給付金には上限が設定されており、
給付割合が67%の期間では28万5420円、50%の期間では21万3000円となります。
振り込まれる日は会社からの申請をトリガーとして約1週間後に振り込まれる様子。
実例として私の場合(2014年8月31日が育児休業開始日)ですと、
初回の振込が2014年11月12日に9月と10月分の2ヶ月分。
ですので、おそらく11月の頭位で人事担当職員が給付金申請を行ったものと思われます。
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育児休業期間中の免除となる支払い
前項で給付金額が出ましたが、この給付金額は非課税です。
そして、無給である事から所得税、雇用保険の支払いもなくなります。
更に、社会保険料、年金が期間中は免除となります。
つまり、前項の計算結果は”ほぼ”手取金額と言えるんですね!
補足として、
まず免除の期間についてですが、開始日が属する月から終了日の翌日の前月が対象です。
前項のサンプルで言えば1月から3月の3ヶ月ですね。
続いて”ほぼ”の部分ですが、住民税の支払いは必要ですので、
普通徴収の方はこれまで通りな感じだとしても
特別徴収の方は給付金からわざわざ払う必要があります。
会社が立て替えてくれる場合がほとんどだと思いますので、
それぞれ指示される方法で決済する事になるかと。
少し蛇足ではありますが、
ボーナス月が休業期間として取得できれば、そこそこ大きい金額が徴収されずにすみます。
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雇用保険未加入だとぉ!!?
最高2年さかのぼっての納付が認められているので、
事業主を脅して説得してでも保険料をおさめてもらいましょう。
一部の負担はありますが微々たるものですし、何より受けられるはずの権利を放棄するのは勿体ないです。
困った時はハローワークに相談して知恵を貸してもらい、なるべく穏便に解決したい所です。
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最後に
要件とかよーわからん!となった場合は、
会社所在地の管轄ハローワークに電話で確認してみましょう。
個人的には会社に聞くよりは明確な答えが返ってくると思っているのでオススメです。
もちろん、会社にもその上で確認の意味を込めて聞く必要がありますし、
そこで認識のズレあればしっかりと解消しておきましょう。
以上です!
長々と書いてしまったので、自分の備忘録以上に誰かのお役にたてれば幸いです!